コンサルタント・アイ 108号

『“ありがとう”からはじめよう!』
2011年も残すところ10日あまりとなりました。
皆様にとりまして2011年は、どのような年でしたでしょうか?
やはり、今年一番の出来事と言えば、3月の東日本大震災であると誰もが感じていることと思います。
震災直後の報道の中で、私感ではありますがこれからの私たちも斯くありたいと感じる報道がありましたので、今年最後のコンサルタントアイは、来年へ向けてこれから心がけてゆきたいと思った出来事をご紹介したいと思います。ご興味のある方は、お付き合いください。
当時、津波や原発などの被害報道の中、東京ディズニーランド(以下TDL)の対応に関する報道があったのを記憶しておりますでしょうか?今となってはもはや“都市伝説”と言ってもいいかもしれない内容ですが、こんな記事を見つけましたので、一部引用しながらご紹介したいと思います。
地震発生からのTDLの対応
・地震発生40秒後に場内アナウンス
・地震発生30分後に対策本部の設置(責任者は社長)
・午後6:00にディズニーランド側からディズニーシー側へ、従業員専用通路を使って来園者1500人を移動
・深夜には、2万人分のおにぎり(暖かい)を配布
以上が、TDLの企業としての決定事項だそうです。
これら企業の決定よりもすごいのが、その9割がアルバイトである1万人のスタッフの対応です。(ちなみに当日の来場者数は7万人であったそうです。)
・防災ずきんとしてぬいぐるみを配る、売店のお菓子を配る
・防寒対策のため、お土産袋や、青ビニールや普段は表に出さない段ボールを配る
・安全確認が取れていない場所には自らが立ち、お客様の安全を図りながら誘導する
・不安そうな子供達にはキャラクターを使い不安解消に努める
・エコノミー症候群の懸念から、お客様と一緒に軽い運動をする。
等々・・・・・・・
これこそ都市伝説と化していて、全部が真実かどうか確認のしようが無いのですが、
こんな話しが出てくるほど素晴らしい対応であったと思われ、また、全てが真実で有るように聞き入ってしまう、そんな報道がなされていました。
このような報道を耳にしてから半年後の10月に、TDLの元教育担当責任者の方のセミナーがあるというので、参加してみることにしました。
そこで強調されていたのはミッション(理念)を全スタッフ(社長からアルバイトまで)に浸透させるための努力を惜しまないとのことでした。
TDLのミッションは、“全てのゲスト(来場者)にハピネスを提供する”であり、このミッションを達成するための行動指針も明確に示されており、順番に ①安全性 ②礼儀正しさ ③ショー ④効率 と優先順位を決め、これを・教育システム・人事、福利厚生・コミュニケーションシステムをうまく活用することで、9割を占めるアルバイトにまで、徹底的に浸透させているとの事です。
こうしたミッションの徹底により、全スタッフが何を優先すべきかを考えて行動した結果が、前述のゲストの安全を第一に考えた判断と行動となったのだと思います。
このように文章にしてしまうとビジネス本のように理屈であり、TDLだからできるのだと思ってしまいますが、講師の方の体験談では、なかなかうまくゆかず、講師の方がアトラクションリーダーとなった時などは、スタッフ同士(講師の方以外は全員アルバイトです。)で、毎日遅くまで欠かさず喧々諤々の議論を1年間繰り返したそうです。
そしてこのような議論の中からホスピタリティ・マインドと言われる相手への思いやりの心が養われ、お客様からの信頼を得られるようになるとおっしゃっていました。
このホスピタリティ・マインドは、何もゲストに対してだけではなく、同僚・先輩・後輩の間においても実践され、相手に対する“ありがとう”と言う言葉は、部門の垣根を越えて使われることで、“感謝する・される”ことの喜びをスタッフ全員が意識でき、偶然にも予想外の“感動”を産むのだと締めくくられていました。
今年の震災により私達は多くのものを無くしました。しかし、悲しみや訃報の中にも多くの“ありがとう”を聞く機会の多かった年であったと思います。今年の漢字となった“絆”の意味は、人と人の信頼関係だそうです。まさに今回のTDLスタッフの皆様の行動は日々の“ありがとう”が産んだ“絆”であり、この“絆”が産まれたからこそ、1カ月後のTDL再開の時に、1万人もの行列を作る事ができたのだと感じる内容でした。
来年は皆様にとりましても“ありがとう”が溢れる年になることを願っております。
それでは良いお年をお迎えください。
最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。 (長谷部 知行)
※ひとつ余談です。
このセミナーの後、講師の方に、ディズニーランドへ行った時、このセミナーでお話頂いたTDLのミッションを体感するにはどうしたらよいか?と、質問をしてみました。
すると・・・
接客専門のスタッフでは無く、園内清掃など裏方と思われるスタッフに積極的に声をかけてみてください。きっと小さな感動があるはずです。とのお答えでした。近々行かれる方は声を掛けられてみてはいかがでしょうか?









