高齢患者の目線に立つには疑似体験が効果的

患者さんの多くが高齢者というクリニックが増えています。患者満足度を高めるには、高齢患者の目線に立った接遇が欠かせません。しかし、ひとくちに高齢患者の目線に立つといっても、座学での研修を受けただけで実践に移すのは難しいものです。そこで、高齢者の状態を「疑似体験」してみることをお勧めします。

身近なアイテムを装着することで、高齢者の状態を疑似体験できる

高齢者の状態を疑似体験することは、意外と難しくありません。たとえば、視力の衰えはサングラスを掛けることで、聴力の衰えはヘッドホンや耳栓を付けることで、ある程度体感できます。疑似体験を通じて「院内の掲示物の文字をもっと大きくしよう」「できるだけ耳元に近い位置から大きめの声で話したほうがいい」などといった気づきが得られるでしょう。

高齢者は手足の動きも弱まっています。足首と膝に重りを巻き付け、膝と首にひもをかけて固定させると、腰が曲がった状態を疑似体験できます。さらに手袋をはめると、皮膚感覚の衰えを体感できるでしょう。仕上げとして、つえをついて歩けば、高齢者の状態に一層近づきます。

以上のように、身近なアイテムを装着することで、高齢者の状態を疑似体験できるのです。実際にスタッフにこれらアイテムを装着し、受付から受診、会計までの一連の流れを体験してもらうと、以下のような意外な気づきが得られます。

「問診票の文字を大きくしたほうがいい」

「つえをついて歩くと、狭い場所では壁にぶつかる。いすとテーブルの配置を変えて、動線を確保すべき」

「待合室のクッションが柔らかいソファは、足腰が悪いと立ち上がるのが大変。もう少し硬めのいすを用意したほうがいい」

スタッフ全員が高齢者の疑似体験をして、それをベースに気づいた点を話し合うと、改善点が浮上してきます。すると、高齢患者への接遇レベルが上がり、患者満足度が向上するでしょう。

医療・福祉 | 更新日:2016.12.15