医科は1日60名以上、歯科は1日約30名以上の外来を診察する必要がある!?

全国保険医団体連合会が2008年に調査した開業医の「経営・労働実態基礎調査」によると、医科では1日に平均63.6名、歯科は27.8名の外来患者を診療していることがわかっています。現在の診療報酬体系では、この平均を下回ると医院の経営を維持していくのが難しくなります。

そこで、より多くの患者さんに来院してもらい、かかりつけ医として活用してもらおうということになるのですが、そのために、どのような施策が考えられるでしょうか?

選ぶポイントは、安心感や信頼感

一つの指標として厚生労働省が2011年に調査した「受療行動調査」で患者さんの行動を分析してみることにしましょう。

病床数が20床から99床までの小病院の外来で病院を選んだ時の理由を1位から5位まで挙げてみます。すると、1位が自宅や職場に近い(41.3%)、2位は医師や看護師が親切(37.2%)、3位が以前に来たことがある(36.6%)、4位が家族、友人、知人からのすすめ(29.2%)、5位が技術の優れた医者がいる(27.7%)となっています。

このデータから、患者さんが病床数の少ない医院に求めることは、まず立地だということがわかります。2位から4位までの理由を見ると、立地とともに重要なのが医院に対する安心感や信頼感だということがわかります。医療技術を日々、向上させていくことはもちろん重要ですが、より多くの患者さんに来院してもらうためには安心感や信頼感をアピールすることも大事なのです。

 

事前に情報を調べて選ぶ患者が2人に1人

次に病院を選択するときに活用する情報源についてデータを分析してみましょう。そもそも患者さんは、病院を選ぶときに情報を調べるのでしょうか? 情報を入手したという患者さんは、外来で51.8%、入院では55.2%になっています。特に情報を入手していないという人は、外来で39.2%、入院で35.3%になっています。外来も入院も事前に調べてから診療をするという人が増えていることがわかります。

それでは何で情報を調べているのかというと、小病院では、1位がその他48.6%、2位が医療機関の相談窓口が19.3%、3位が病院の発信するインターネットの情報15%、4位が病院の看板やパンフレットが14.7%でした。その他というのは、知人の紹介や家族の紹介といった口コミ。それ以外の情報としてインターネットや看板やパンフレットなどの販促物によって情報を調べていることがわかります。

 

まずは院内の広報活動からスタートする

このデータからわかることは、基本的には、選んでもらうためには、安心感や信頼感をアピールするということが大事だということです。安心感や信頼感は目に見えないものです。そうした目に見えないものを伝えていくためには、

一人一人の患者さんにどのように接するかがとても重要になります。多くのスタッフを抱えている医院であれば、スタッフの意識統一のために経営理念や創業の精神を明示して共有する必要があるでしょう。実際に医院の相談窓口やチラシや掲示板からの増患も多いので、まずはお金を掛けずに、スタッフ一人一人が広告塔になり、医院の中で広報活動を行うということが重要です。

 

まとめ

より多くの患者さんから選んでもらうためには、ありとあらゆることを試すのではなくて、できることからスタートすることが大切です。中でも重要なのは安心感や信頼感のアピール。医院の中が広告の舞台だと考えて、日々の患者さんとのコミュニケーションを大事にすることが重要なのです。

医業マーケティング | 更新日:2017.06.15