逆転ジェンダー製品をつくり注目を集める

マーケティングの世界では、性の役割というのが非常に重要です。性の役割とは、「男らしさ」「女らしさ」というジェンダーイメージに基づく、周囲から期待されるものです。

実はこうした性役割が、消費にも色濃く反映されているのです。

ラーメンは「男っぽい」というイメージを払拭して人気が出た作品

たとえば、ラーメンは男っぽい食べ物として私たちにイメージされています。ところが、ラーメン女子というと、普段の性役割のイメージを覆されたようで、非常に気になるものです。このように特定のジェンダーに結びついた商品をイメージを覆して、もう一方のジェンダーに販売するための商品を逆転ジェンダー商品と言います。

たとえば、『ラーメン大好き小泉さん』(鳴見なる/竹書房)という漫画が人気です。美少女女子高生が、たった一人でひたすらラーメンを食べるという作風が注目を集めている作品です。ラーメンを食べるのは大人のガテン系の男性というイメージを逆転させた逆転ジェンダー商品の一つと言えるでしょう。


逆転ジェンダーで文化や価値観が違う海外市場を狙え

実は、こうした性役割に基づいた商品を逆転発想することで、既存製品の新規市場開拓ができるケースがいっぱいあるのです。特に日本は、2016年で2400万人だった訪日外国人旅行者を2020年の東京オリンピック開催へ向けて、倍の4000万人にすることを目標としています。

こうしたインバウンド市場では、文化や価値観が日本と違って全く異なります。同じ商品でも異なる性役割を与えられていることがあるので、逆転ジェンダー商品を開発するきっかけになるのです。たとえば、牛丼は、アジアの国々では男らしさというイメージは、ほとんどと言ってありません。

皆さんも牛丼屋に堂々と入って来るアジアの女性を目にしたことがあるはずです。自社製品の中でも、こうしたところに目をつけることで、新たなマーケットを開拓することができます。


時代によって性の役割が変わる

そして、性役割が与えられた商品は、時代とともに役割が変化することもあるのです。たとえば、男性がスキンケア製品を使うということは、20年前には考えることもできませんでした。しかしながら、ユニセックスの製品がたくさん出てきたり、芸能界でもトランスジェンダーな人たちの人気が急上昇したりして、性役割も大きく変化してきました。

たとえば、職場に持って来る手作り弁当といえば、女性が作るものと考えられていました。しかし、最近ではお弁当を作って来る男性が増え、「弁当男子」という言葉が流行り、関連のレシピ本や弁当箱などが販売されています。これも時代によって逆転した性役割の考え方でしょう。

自社の製品やサービスの中で、逆の性役割を与えたらどのようなマーケットが開拓できるのか? 考えてみてもいいかもしれません。

マーケティング | 更新日:2017.07.14