円安でも賃金指数は上がらず 消費離れに対抗する企業努力とは?

“アベノミクス”の効果によって、大企業を中心に利益は増加しているものの、可処分所得の伸び悩みから、消費者の節約志向は継続中です。

それを受け、大手小売り各社で値下げに踏み切る動きがあります。物流の自動化や高級品の値下げなど、消費者の節約志向に対応する各企業の取り組みをご紹介します。

大手企業が相次いで日用品の値下げを実施

安倍政権が政策として掲げた“アベノミクス”の影響により円安・株高となったことを受け、輸出企業を中心に収益が増しています。しかし、賃金が依然として低水準であることや、経済への不安などから消費者は未だ節約志向にあります。

このような流れを受けて、大手スーパーやコンビニエンスストアでは、加工食品や日用品を値下げする動きが広がっています。

ダイエーは2017年9月中旬から約3ヵ月間、冷凍食品や調味料など、約1,300品目を平均10~20%値下げしました。同社では、定期的に値下げする品目を選定していますが、今回の値下げは過去最大規模の品目数だといいます。また、同年8月より、親会社であるイオンではプライベートブランド114品目を平均10%、大手スーパーの西友では食品や日用品500品目を平均6~10%値下げしました。

この傾向は、定価販売が基本のコンビニ各社にも波及し、セブン-イレブン・ジャパンなど大手3社は同年4月以降、洗剤などの日用品の値下げを相次いで実施しています。


値下げに対抗する創意工夫を!

このように値下げを実施している企業が増えた一方で、独自の試みにより、業績を改善させた企業や業界もあります。

納入先や従業員に負担を与えるような改革では、値下げに踏み切ったとしても、経営は難航します。そこで、家具・インテリアチェーンのニトリホールディングスや大手100円ショップ各社では、商品調達先の育成や、物流自動化などの企業努力を重ねることで、価格競争力を築きました。

また、値下げ商品を指定することで、成功した企業もあります。米ネット通販の大手アマゾン・ドット・コムでは、買収した高級スーパーや、ホールフーズ・マーケットの商品を大幅に値下げしました。有機野菜や産直の肉など“日常で買うには高級な品”を手の届く価格で提供することで、健康志向の中間層の消費満足度が高まり、需要促進につながっています。

ドラッグストア業界では安売り競争をやめ、“良質な食品や化粧品の充実”という付加価値戦略に取り組んでいます。働く女性など、高価でも美や健康の追及を惜しまない層の支持を獲得したことで、業界全体の売上高は百貨店を超えたといいます。

単なる値下げではなく、消費者ニーズを踏まえた創意工夫が、今後、より一層必要になりそうです。

トピックス | 更新日:2018.01.15