小規模病院における、経営課題と改善のアイデアとは?

内閣府が2017年8月に発表した『公立病院経営の状況と小規模公立病院の経営課題』によると、病院の規模が小さくなるにつれて医業収支比率が低くなり、経営状態が悪化することがわかりました。

経営改善のためには、立地条件などによって個別に戦略を練る必要があります。内閣府のデータをもとに、200床未満の公立病院の経営課題と戦略についてご紹介します。

タイプ別でみる傾向と対策

小規模病院では、地域のニーズに適した病院経営の策定が重要です。
内閣府は、200床未満の公立病院を以下の4タイプに区分し、経営改善の戦略を提案しています。

(不採算地区病院とは、“最寄りの一般病院まで15㎞以上”もしくは“人口集中地区以外に所在”する150床未満の一般病院のことをいいます)

【タイプ1:不採算地区外に位置し、半径15km圏内に300床以上の競合病院がある】
このタイプの病院は、人口規模が大きく、高齢化率も低いことから、人口の減少が考えにくい好立地に存在しています。
ただし、競合病院に患者を取られてしまう可能性が高く、経営状態も病床稼働率もあまり良くないことが明らかになっています。

こうした病院については、“病院の強み”を伸ばしていく必要があります。
また、競合病院との機能分担を進め、その地域にとってニーズが高い医療を提供していきましょう。

【タイプ2:不採算地区外に位置し、半径15km圏内に300床以上の競合病院がない】
人口規模が小さく、高齢化率および人口減少率も高いことから、将来の経営悪化が懸念されます。
しかし現状としては、医療圏の総病床数HHIや病院病床シェアが高いため、外来患者数が多く、経営状況は他のタイプと比べて良好です。

将来、大きな人口減少が到来した場合には、病院規模の見直しが必要となるため、回復期リハビリテーション病棟の導入や理学療法士の増員など、地域に根差した経営が重要になってくるでしょう。

【タイプ3:不採算地区内に位置し、半径15km圏内に300床以上の競合病院がある】
人口規模が大きいものの、医療圏内の病床シェアが少ないのが特徴です。
そのため、外来患者数が少なく、慢性期患者の長期利用を目的とした医療やリハビリを提供する“療養病床”の比率が高いことから、収益が低く、病床稼働率も低下傾向にあります。

このタイプの経営改善例としては、病院の強みを磨き、地域包括ケアシステムの確立に貢献することが重要です。
診療単価の見直しや、他病院からの患者紹介率の増加を経営戦略に加えるとよいでしょう。

【タイプ4:不採算地区内に位置し、半径15km圏内に300床以上の競合病院がない】
人口規模が小さい上に、人口減少率や高齢化率が高い地域に存在します。
そのため、病院病床シェアは高いものの、外来患者数や病床稼働率、収益が4タイプの中で最も低く、過去5年間の悪化傾向も最大となっています。

ただし、このタイプは“地域唯一の病院”であることが多く、地域医療の確保の観点から必要な病院といえます。
将来的には、医療需要の見通しを踏まえ、診療所と老人福祉施設を複合した施設への転換なども検討していく必要があるでしょう。

病院経営には、病院の強みを確立させるなど、立地条件やニーズを踏まえた対策が必要です。
まずは、ターゲットや地域のニーズ把握などのマーケット調査を行い、戦略を練っていきましょう。

医療・福祉 | 更新日:2018.01.15