平成29年度税制改正で対象範囲が拡大! 「手取金額」が毎月同額でも定期同額給与と認められます

平成29年度税制改正により、定期同額給与の対象範囲が拡大されました。

これまで外国人役員など、役員報酬の手取額を保証している場合、額面金額が月によってばらばらにならざるを得ませんでした。すると、定期同額給与とみなされず、損金に認められませんでした。

今回の税制改正で手取金額が同じでも定期同額給与とみなされ、損金算入が認められるようになりました。今回の改正については、基本的に大企業を対象としたものと考えられますが、中小企業も対象となります。

従来は「額面金額」が同額でないと損金算入が認められなかった

「定期同額給与」とは、役員に対する給与のうち、その支給時期が1ヵ月以下の一定期間ごとである給与で、その事業年度の各支給時期における支給額が同額であるものを言います。事前確定届出給与などを除き、定期同額給与に該当しない役員報酬は、損金算入が認められません。

これは、役員報酬の金額決定権を有する役員が、役員報酬を利用して恣意的に法人の利益を調整することを防ぐための規定です。従前は支給する役員報酬の「額面金額」が同額でなければ損金算入が認められないものとして執行されていました。実際に、過去には手取金額が同額であっても、額面金額が同額でないため、定期同額給与に該当しないものとして差額分が否認となった事例もあるのです。

 

「手取金額」の同額化は利益操作のためではない

今回の改正では役員報酬の額面金額から源泉所得税、住民税の特別徴収額、社会保険料などを控除後の「手取金額」が同額である場合も、損金算入が認められることとなりました。

役員報酬から控除される健康保険料(4月)、住民税の特別徴収額(6月、7月)、厚生年金保険料(10月)、源泉所得税の年末調整(12月)は、それぞれカッコ内の月に、役員報酬の手取金額が変動する場合があります。大企業が外国人を役員とする場合、役員報酬の手取額を保証している場合が多く、控除金額が変わることにより額面が変わってしまうという事態が起こっていました。これは法人が恣意的に利益操作するために行っているものではないため、今回のような改正が行われたものと考えられます。

 

エクセルの「ゴールシーク」機能などを活用して逆算

手取金額を一定額とするための額面金額を計算するには、計算結果からその結果を得るための数値を逆算する、エクセルの「ゴールシーク」機能を使うなどの方法が考えられます。控除額は各種税金や社会保険料であるため、計算する際には思わぬミスがないよう、専門家にチェックを依頼するなどして、対策するとよいでしょう。

詳しいことは会計事務所にお問い合わせください。

税務・会計 | 更新日:2017.05.15