見えないところで起こっているかも?マタハラの防止措置が義務化された

妊娠や出産を理由に職場で不当な扱いを受ける「マタニティーハラスメント(以下、マタハラ)」。マタハラ問題を放置していると、経営者も管理責任を取らされることになります。

今回は、マタハラの実態と対処法についてご紹介いたします。

女性派遣社員の約半数はマタハラを受けている

2015年に厚生労働省が実施した「妊娠等を理由とする不利益取扱いに関する調査」によると、派遣社員のうち48.7%の人がマタハラを経験したことがあるとのこと。正社員の21.8%と比べると高い数値であることがわかります。雇用が不安定で立場が弱い派遣社員が、マタハラ被害にあうケースが多いようです。

マタハラ行為をした相手は「職場の直属上司(男性)」が最も多く、19.1%を占めました。一方、同性である「職場の直属上司(女性)」も11.1%を占め、「職場の同僚、部下」の割合は男性よりも女性の方が上回っています。「あなたが休んだ分が、私にしわ寄せとしてくる」といった逆恨みから、マタハラにつながるケースが増えているようです。


義務化された5つの防止措置

「 妊娠や出産、産前産後の休業」「育児休業の申出・取得」といったことを理由に、退職強要や解雇、降格、契約の更新拒否(雇止め)などを行うのは法律で禁止されています。事業主は、法律に基づいてマタハラの防止措置を講じなければいけません。

男女雇用機会均等法および育児・介護休業法の改正によって、2017年1月1日から事業主は次の5つを義務付けられています。

①マタハラを防止するための啓発や事業主の方針の明確化
実際に起きたハラスメントの内容の提示や、ハラスメントを撲滅する方針を明確にします。また、就業規則などで妊娠や出産、育児、介護休業に関する制度を明文化させます。

②相談を適切に対処できる体制の整備
被害を受けた人が相談する機関や目撃者が相談しやすい窓口を設けます。

③マタハラが発生したときの迅速な措置
マタハラが発生してしまった際に、適切に対応し、再発を防止するための措置を講じます。

④マタハラの原因や背景となる要因を解消するための措置
マタハラの原因を解消するために業務体制の整備などを行います。

⑤プライバシーといった秘密保持体制の確立
マタハラの被害を受けた相談者や行為者のプライバシー保護のために措置を講じます。また、事実関係の確認に協力した人を不当に扱わない制度の確立や周知をします。

以上5つの措置は、業種や規模などに関わらず、すべての事業主に義務づけられています。「規模が小さいから」という理由で、法律は無視できませんので注意しましょう。

企業経営 | 更新日:2017.09.15