建設工事における一括下請負の判断基準が明確化

工事を請け負った建設業者が、施工において実質的に関与せず、下請負人にその工事の全部または独立した一部を請け負わせることを、建設業法では「一括下請負」と呼び、原則として禁止しております(建設業法第22条)。

建設工事における「一括下請負の禁止」に関しては、従来から徹底を図ってきました。国土交通省ではこのほど、一括下請負の判断基準を新たに策定。元請(発注者から直接請け負った者)、下請(それ以外の者)それぞれが果たすべき役割を具体的に定め、一括下請負の禁止のさらなる徹底を進めました。

実質的に施工に携わらない企業を施工体制から排除

平成28年10月14日に出された通達の狙いは、実質的に施工に携わらない企業を施工体制から排除し、不要な重層化を回避することにあります。

元請が果たすべき具体的な役割は以下の通りになります。

(成功計画の作成)

・請け負った建設工事全体の施工計画書の作成

・下請負人の作成した施工要領書等の確認

・設計変更等に応じた施工計画書等の修正

(工程管理)

・請け負った建設工事全体の進捗確認

・下請負人間の工程調整

(品質管理)

・請け負った建設工事全体に関する下請負人からの施工報告の確認、必要に応じた立会確認

(安全管理)

・安全確保のための協議組織の設置及び運営、作業場所の巡視等請け負った建設工事全体の労働安全衛生法に基づく措置

(技術的指導)

・請け負った建設工事全体における主任技術者の配置等法令遵守や職務遂行の確認

・現場作業に係る実地の総括的技術指導

(その他)

・発注者等との協議・調整

・下請負人からの協議事項への判断・対応

・請け負った建設工事全体のコスト管理

・近隣住民への説明

元請は、以上の事項をすべて行うことが求められます。

 

下請が果たすべき役割は以下になります。

(成功計画の作成)

・請け負った範囲の建設工事に関する施工要領書等の作成

・下請負人が作成した施工要領書等の確認

・元請負人からの指示に応じた施工要領書等の修正

(工程管理)

・請け負った範囲の建設工事に関する進捗確認

(品質管理)

・請け負った範囲の建設工事に関する立会確認(原則)

・元請負人への施工報告

(安全管理)

・協議組織への参加、現場巡回への協力等請け負った範囲の建設工事に関する労働安全衛生法に基づく措置

(技術的指導)

・請け負った範囲の建設工事に関する作業員の配置等法令遵守

・現場作業に係る実地の総括的技術指導※

(その他)

・元請負人との協議※

・下請負人からの協議事項への判断・対応※

・元請負人等の判断を踏まえた現場調整

・請け負った範囲の建設工事に関するコスト管理

・施工確保のための下請負人調整

下請は、以上の事項を主として行うことが求められます。

 

※は、下請が、自ら請けた工事と同一の種類の工事について、単一の建設企業とさらに下請契約を締結する場合に必須となる事項

 

一括下請負は、施工する上での責任の所在があいまいになるため、法律で禁止されています。新しい通達を確認して、スムーズな工事を心掛けましょう。

建設業 | 更新日:2017.03.15