雇用調整助成金の教育訓練費の支給額が4月1日より引き下げへ
度重なる改正が行われてきた雇用調整助成金・中小企業緊急雇用安定助成金(以下雇調金)が、平成23年4月1日以降の申請分から教育訓練費の支給額を引き下げる予定であると先日厚生労働省より発表されました。
雇調金は、景気の変動、産業構造の変化などに伴う経済上の理由によって事業活動の縮小を余儀なくされ、労働者の休業、教育訓練または出向を行った事業主に対して、休業手当、賃金の一部を助成するものであり、教育訓練を実施した場合は教育訓練費が加算されます。
本制度は非常に多くの事業主に利用されている知名度の高い助成金制度です。
今回引き下げの対象となっている教育訓練費は対象労働者1人一日当たり大企業で4,000円、中小企業で6,000円が支給されることになっています。この教育訓練費はリーマンショックや円高などの経済情勢の悪化で、大幅な上乗せを行ってきたものです。しかし、財源である雇用保険の財政状況が悪化し、また雇調金自体に多くの不正受給が見られ、特にその中心が事業所内訓練であることから引き下げ予定が決定しました。
引き下げられる内訳は、事業所内訓練の教育訓練費であり、大企業が2,000円、中小企業が3,000円と半減されることになります。
この事業所内訓練とは、事業主自らが実施するもので、生産ラインなどの通常の生産活動と区別して、受講する労働者の所定労働時間の全日又は半日(3時間以上)にわたり行われるものであり、事業所外訓練についてはこれまでどおり大企業4,000円、中小企業で6,000円となっています。
ちなみに架空の休業や教育訓練を実施したとして虚偽の申請を行ったことなどにより、平成22年8月から11月の間に、160事業所、約13億6906万円を不正受給として処理しているようです。
まじめに正しく制度を利用している事業主にとっては全く迷惑な話ですが、助成金を利用するためには、やはり正しい労務管理を行うことが必要であるとともに、受給すること自体を安易に考えてはいけないということが言えるでしょう。
社会保険労務士法人すずき事務所 専門部長
特定社会保険労務士 佐藤光一
執筆者紹介:厚生労働省勤務を経て、中小企業の
人事・労務管理の支援を一筋に20年です。









