役割と目標による評価制度
中小企業の多くが、夏の賞与が近づいてくる6月に人事評価を実施します。人事評価は、社員に期待されている「やるべきこと」に対して、どれだけやったか、達成したかを測ることです。ですから、「やるべきこと」が、社員ひとり一人のものになっているか、がきわめて重要となります。「やるべきこと」が不明瞭で、「やったこと」を測っても、それでは効果の薄いものとなるからです。
企業の内的・外的環境が大きく変化するなかで、社員の「やるべきこと」を評価シートの評価項目、その内容・着眼点などに落とし込んでいかないと、評価制度の運用で効果は期待できません。しかし、専任者を擁しない中小企業(とりわけ50人未満事業所)ではこの作業が極めて不十分です。10年前に作った評価シートを一字一句そのままで今も使用している、では多くの場合に人事評価は力を発揮できないからです。
当事務所が中小企業(とりわけ50人未満事業所)に提唱している「役割と目標による評価制度」では、社員の「やるべきこと」を「役割基準書」で明示し、この「役割基準書」を「評価シート」につなげています。しかし、社員の「やるべきこと」の明示と、「やるべきこと」が社員ひとり一人のものになっているかは別物です。この点を解決するには、P.F.ドラッカーの「目標による仕事の管理」の考え方が有効です。
「目標による仕事の管理」は、組織ニーズと個人ニーズの統合、社員の目標・目標遂行・目標評価プロセスの「可視化」等に優れています。しかし、「達成しやすい目標のみになる。目標以外が見えなくなる。」なども指摘されています。「役割と目標による評価制度」では、「役割基準書」の「やるべきこと」を「目標設定シート」に、「目標設定シート」を「評価シート」に繋げることで、目標管理の弱点を克服しようとしています。
社会保険労務士法人すずき事務所
代表者 鈴木幹男









