「やるべきこと」の見える化と目標
当事務所の主催する個別相談会に、〈評価制度が上手く運用できていない、・・・〉といった人事制度関連の相談がよく持ち込まれます。人事制度は、経営理念や経営目標・計画など企業が大切にしたい価値観に沿った行動を社員に促す仕組みとして構築します。経営理念を制定していない企業でも、経営者の頭の中には、こんな企業にしたい、社員にはこんな行動を期待する、社内の雰囲気はこうでありたいという思いがあるはずです。この経営者の頭にある思いを明確にすることが人事制度構築の核心となります。
さらに、「やるべきこと」の「見える化」が重要になります。当事務所が中小企業(とりわけ50人未満事業所)に推奨している「役割基準による人事制度」では、「役割基準書」と「役割評価シート」で、経営理念や経営目標・計画など企業が大切にしたい価値観(経営者の思い)を、社員の「やるべきこと」として明示し、社員の目標設定につなげています。
役割基準による人事制度のイメージ
期初に上司は「役割評価シート」にそって、成果、取り組み、知識・技能、勤務姿勢を構成する評価項目一つひとつについて期待するところを部下に伝えます。部下も「成果、取り組み」などで、やりたいことがあれば述べ、評価項目ごとに上司・部下で確認合意します。これが社員の「役割遂行の目標」となります。この目標」は「目標設定シート(役割評価シート)」で確認・合意し、「やるべきこと」の見える化を図ります。このシートは期中の進捗管理に活用し、期末の評価は「役割評価シート」で行います。「目標設定シート」は期末評価の参考資料として活用します。
個人目標は設定するが、期末の評価は「役割評価シート」で行うということは、個人目標の達成度は評価に直接つなげない、ということです。社員の積極的な目標と挑戦を促すには、個人目標の達成度を評価に結びつけることは相応しくない、ということです。目標管理のメリットは相応しい個人目標設定が前提となります。目標の達成度が評価されることで、相応しい個人目標が設定されなければ、目標管理は本来の成果が得られないからです。とりわけ、人事制度の運用に不慣れな小規模事業所では、このことが重要なポイントになります。
社会保険労務士法人すずき事務所
代表者 鈴木幹男









