社員の役割像を明確にする評価制度
中小企業の評価制度に、年齢」「勤続」「学歴」等による年功序列をベースとした能力主義評価が多く見られます。しかし、能力主義といっても「能力」は習熟年数中心の「保有能力」で、結果的に人重視の評価となっています。しかし、先行きが不透明な経済、少子高齢化、デフレ、グローバル化など企業環境が激変する時代にあって、年功的な属人主義による評価制度に代わり、「仕事の成果」、「仕事の成果につながる行動」を重視した新しい評価制度の構築が切実な課題になっています。
このことは、人柄とともに、仕事で期待される意欲や能力を発揮し、成果をあげることが重視される時代になってきた、ということです。社員ひとり一人がプロとして組織の中で期待されている役割を果たしたかを、評価のモノサシとして重視する、ということです。仕事と直接関係しない属人的な要件ではなく、仕事上の具体的な行動や成果を重視して評価する評価制度の構築を求めて、当事務所に相談に来られる事業所関係者が最近とくに増えているように感じています。
●これまでの評価と役割基準による評価の特徴
| これまでの評価 | 役割による評価 | ||
| 1 | 人(年功・保有能力)重視の評価 | 1 | 仕事(成果・行動)重視の評価 |
| 2 | 人の比較による相対評価 | 2 | 役割による絶対評価 |
| 3 | イメージ、先入観が入りやすい評価 | 3 | 行動事実に基づく評価 |
| 4 | 上司の主観・価値観が入りやすい評価 | 4 | 役割別の客観基準に基づく評価 |
| 5 | 非公開の評価 | 5 | オープンな評価(面談・フィードバックの実施) |
| 6 | 給与・賞与査定の評価 | 6 | 教育・配置にも活用 |
当事務所が推奨している役割基準による評価制度では、社員に期待する役割がモノサシです。仕事とは直接繋がらない人物評価ではなく、仕事上の具体的な成果と行動で評価します。社員は組織上それぞれ置かれた立場で期待する役割が異なります。その異なる役割に応じて何を求めるかを「役割基準書」で明示します。「評価シート」は「役割基準書」を補完するともに、仕事の「成果」、成果を上げるための「取り組み」「知識・技能」「勤務態度」など役割達成レベルを測定するモノサシとなります。
「役割基準書」で社員に期待する役割は、会社組織を動かしていくための役割分担を明確にし、一般社員、中堅社員、管理職などに期待する成果や行動の明確化です。この期待要件を評価基準として「評価シート」に明示します。「役割基準書」は職種別に、役割「評価シート」は役割別に細分化を検討します。さらに、同一の役割でも資格(グレード)で細分化が必要になります。ひとり一人の社員が、自分自身の役割像を明確に理解できるように設計することがポイントとなります。
社会保険労務士法人すずき事務所
代表者 鈴木幹男









