平成25年度改正法

 

 法人税の改正 

 

①生産等設備投資促進税制(創設)

 

国内事業用の生産等設備の年間総投資額が一定額を上回る場合,生産等設備のうち機械装置の取得価額に対して特別償却・税額控除が適用できる制度。

 

②所得拡大促進税制(創設)

 

国内雇用者に対する給与等支給額が一定額を上回る場合,雇用者給与等支給増加額に対して税額控除が適用できる制度。

 

③商業・サービス業・農林水産業等の中小企業等の設備投資促進税制(創設)

 

指定事業を営む中小企業等が経営改善のために行う店舗改修等の設備投資を行った場合,設備投資の取得価額に対して特別償却・税額控除が適用できる制度。

 

④交際費課税(拡充)

 

資本金1億円以下の中小法人に対する定額控除限度額が600万円から800万円までに引き上げられ,定額控除限度内の10%の損金不算入措置も廃止される。

※平成25年4月1日から平成26年3月31日までの間に開始する事業年度。

 

⑤環境関連投資促進税制(グリーン投資減税)(拡充等)

 

即時償却制度について,対象資産に熱電併給型動力発生装置(コージェネレーション設備)が加えられ,適用期限が2年延長され,27年3月31日まで。(※補助金等による取得資産除く)

 

 

⑦雇用促進税制(拡充)

 

税額控除額について,雇用者数の増加1人あたり20万円から40万円に引き上げられるほか,雇用者の範囲について所要の措置が講じられる。

※平成25年4月1日から平成26年3月31日までの間に開始する事業年度。

 

 所得税の改正 

 

①所得税の最高税率の見直し

 

所得税の税率構造に加えて,課税所得4,000万円超について45%の税率を設ける。適用時期については,平成27年分以後の所得税について適用する。

 

②住宅借入金等特別控除の改正(拡充等)

 

一般の住宅及び認定住宅(認定長期優良住宅,認定低炭素住宅)に係る住宅ローン控除については,適用期限(平成25年12月31日)を平成29年12月31日まで4年延長,平成26年から平成29年までの住宅借入金等の借入限度額,控除率,各年の控除限度額,控除期間の最大控除額が変更されました。

 

③認定長期優良住宅新築等特別税額控除の改正(拡充等)

 

認定長期優良住宅の新築等をした場合の所得税額の特別控除について,適用期限(平成25年12月31日)を平成29年12月31日まで4年延長,対象住宅に認定低炭素住宅を加えるなどの改正を行う。

 

④住宅特定改修特別税額控除の改正(拡充等)

 

既存住宅に係る特定の改修工事をした場合の所得税額の特別控除について,適用期限(平成24年12月31日)を平成29年12月31日まで5年延長するとともに,各種措置を行う。

 

⑤住宅耐震改修特別控除の改正(拡充等)

 

既存住宅の耐震改修をした場合の所得税額の特別控除について,適用期限(平成25年12月31日)を平成29年12月31日まで4年延長するとともに,平成26年から29年までの耐震改修工事限度額や控除限度額について各種措置を行う。

 

⑥特定増改築等住宅借入金等特別控除の改正(拡充等)

 

特定の増改築等(省エネ改修工事,バリアフリー改修工事)に係る住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除の控除額に係る特例については,適用期限(平成25年12月31日)を平成29年12月31日まで4年延長するとともに,各種措置を講じる。

 

資産税の改正

 

①相続税の基礎控除の引下げ

 

現行 ⇒ 5,000万 + (法定相続人の数×1,000万)

改正 ⇒ 3,000万 + (法定相続人の数×  600万)

 

②相続税の税率構造の見直し

 

③未成年者控除と障害者控除の引き上げ

 

④贈与税の税率構造の見直し

 

⑤相続時精算課税制度の適用要件の見直し

 

贈与者の年齢要件を65歳以上から60歳以上に引き下げ,受贈者の範囲に20歳以上の孫(従前は子のみ)を追加する。

 

⑥小規模宅地特例の見直し

 

・特定居住用宅地等の適用対象面積を240㎡から330㎡までの部分に拡大する。

 

・特定居住用宅地と特定事業用宅地とがある場合の併用についても,それぞれ居住用330㎡,事業用400㎡まで適用を拡大する。結果、合計730㎡まで80%減額の対象。(従前は合計400㎡まで)

 

・構造上区分された一棟の二世帯住宅では特例が不適用となるケースがあったが,構造上の要件を緩和する(※)。(従前は建物内部でつながっていることが要件だった)

 

・老人ホームの終身利用権を取得して入居している場合でも,介護が必要なため入所したもので,貸付け用となっていない場合には特定の適用を認める(※)。

 

⑦事業承継税制の抜本的な見直し

 

要件緩和と負担軽減,手続きの簡素化が行われる。(相続税・贈与税における承継株式の80%納税猶予制度)

 

・雇用確保要件を緩和し,「毎年8割以上」から「5年間平均で8割以上」とする。

 

・親族外の後継者への相続・贈与でも適用対象とする。(従前は経営者の親族のみ適用)

 

・先代経営者は贈与時に代表者を退任すれば,贈与後に引き続き役員でも適用対象とする。

 

・役員である贈与者が認定会社から給与の支給を受けた場合でも贈与税の納税猶予の取消事由に該当しないこととする。

 

事業承継税制の見直しでは,相続・贈与前の経済産業大臣への事前確認制度が廃止され申告までに認定申請のみとなり、相続税申告書や継続届出書等への添付書類の簡素化など,手間暇がかかるとされた手続きの簡素化も行われる。

 

⑧教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置の創設

 

30歳未満の子や孫へ教育資金を拠出し,金融機関に信託等した場合,受贈者(子・孫)1人当たり1,500万円(学校以外は500万円)を非課税とする特例が創設される。

 

・教育資金は学校等に支払う入学金等の金銭と学校以外の者に支払われる金銭のうち一定のもの。具体的な範囲は文部科学大臣が定める。

 

・受贈者は教育資金の非課税申告書を金融機関を通じて税務署長に提出,払い戻しをした場合,教育資金の支払いに充当したことを証する書類を金融機関に提出する。

 

・受贈者が30歳に達した場合,金融機関は教育資金として払い出した金額の合計金額(教育資金支出額)を記載した調書を税務署長に提出,教育資金支出額を除いた残額は30歳に達した日に贈与があったものとして贈与税が課税される。(※直系尊属からの税率適用)

 

 証券税制の改正 

 

①少額投資非課税制度(日本版ISA)を拡充

 

上場株式等の配当等及び譲渡所得等に係る10%軽減税率が、平成25年12月31日で廃止。平成26年1月1日以後は20(所得税15%,住民税5%)の本則税率に戻る。

 

これに伴い、NISAは非課税口座内の年100万までの上場株式等に係る譲渡所得等の非課税措置で,現行の投資可能期間は平成26年から平成35年12月31日までの10年間に拡大。

 

そして、非課税投資総額は現行の年最大300万円から年最大500万円(年間100万×5年)に拡大するが,現行は10年間とする非課税期間については5年間に短縮される。

 

5年間の非課税期間を経過すると,非課税口座内における上場株式等の配当所得や譲渡所得については課税対象となる。

デメリットとして、①他の口座との株式の損益通算ができない。②NISA口座内での損益通算もできない③株式の3年損失繰越控除も適用がない。

 

②特定公社債の利子等を申告分離課税

 

公社債等を申告分離課税に変更し,上場株式等の配当等や譲渡所得等と損益通算を可能とするなど損益通算の対象範囲を拡大する。

 

③非上場株式等に係る譲渡所得等は別の分離課税制度

 

株式等に係る譲渡所得等の分離課税については「上場株式等に係る譲渡所得等」と「非上場株式等に係る譲渡所得等」をそれぞれ別々の分離課税制度に改める。

 

したがって,これまで確定申告により可能であった上場株式等の譲渡損失と非上場株式等の譲渡所得との損益通算ができなくなる。

 

 印紙税の改正 

 

①領収書の非課税拡大

 

平成26年4月1日以後に作成される金銭受取書の記載金額が5万円未満は非課税

 

②不動産譲渡契約、建設工事請負契約の印紙税の特例の延長、引下げ

 

特例が平成30年3月31日まで延長され、平成26年4月1日以後に作成される文書に係る印紙税率も引き下げられる。

 

 税制大綱の行方 

 

マイナンバー法や投資促進税制による即時償却の拡大、非嫡出子の法定相続分の改正など

Tone Tax Times  | 更新日:2013.11.19