相次ぐ会計不祥事により透明性を求められる会計監査 中小企業にもその波が

近年、大手企業の会計不祥事が相次いでいます。先月取り上げた東芝だけでなく、粉飾決算をめぐる裁判で有罪判決が出たオリンパスもそのひとつです。

こうした会計不祥事に対応するため、金融庁が中心となって会計監査の改革を推進しています。監査制度の見直しによる影響は大企業だけでなく、中小企業にも及ぶと予測されます。

監査法人の取り組みにも透明性が求められる

監査制度を改革するための具体的な動きとして、金融庁は「監査法人のガバナンス・コード」を発表しました。ガバナンス・コードでは、監査の品質を確保するための5原則と22の細目が定義されており、具体的には以下となります。

(1)リーダーシップの発揮
(2)経営陣の役割の明確化
(3)評価機能を備えた第三者の知見の活用
(4)職業的専門家の人材育成や人事管理・評価
(5)内外との積極的な説明と意見交換

(5)は株主などの資本市場の参加者等と監査法人とのコミュニケーションを促す内容となっています。コミュニケーションをとるにあたって、資本市場の参加者等が本原則の適用状況を評価できるよう、取り組みに関する情報開示を「透明性報告書」などの形でわかりやすく説明すべきだと明示されています。監査法人自身が、より厳しく監査先企業の経営陣や投資家の目に晒される見通しです。


透明性を向上させれば資金調達で優遇を受けられる

ガバナンス・コードは、大企業を顧客にする大手監査法人向けだと受け止められるかもしれませんが、中小規模でも大きな方向性は変わりません。中小企業に対する監査についても会計の透明性を向上させる動きが活発となっており、その波に乗れば恩恵を受けられるようになっています。

具体的には、「中小企業の会計に関する指針」や「会計参与制度」を活用する中小企業に対して、資金の調達・融資の条件面で優遇する金融機関が出てきており、信用保証料が割引されるといいます。

会計監査の透明化を契機に資金調達の恩恵を受けられるよう、会計の透明化に取り組んでいくべきかもしれません。

トピックス | 更新日:2017.08.15