徹底したコスト管理で黒字法人化を実現

独立行政法人福祉医療機構が発表した「平成27年度 医療法人の経営状況について」によると、医療法人の黒字割合は78.7%で、前年度から0.4ポイント減少しました。85.3%が黒字法人だった平成23度を境として、病院経営は厳しさを増し、黒字の割合は全国的に徐々に減っているといわれています。

そんな中、人口7万人のある地方都市で展開している医療法人は、徹底したコスト管理で着実に収益を上げているといいます。その実態を探ってみました。

同法人では、1993年から部門別原価管理制度を導入しています。

昨今になってようやく導入が増えてきた部門別原価管理制度ですが、なかなか現場レベルで原価管理が徹底できていないようです。その背景には、「部門間の意思疎通ができていない」「財務情報や経営情報の開示がなされていない」といった問題があります。

小集団の改善活動を行ってきた同法人では、部門間の意思疎通へ常に気を配っていました。

経営層だけでなく、看護師にも収支管理を行ってもらい、「年始に立てた目標と比べて実績はどうだったのか」「差が生まれた原因はなんだったのか」を報告する場を毎月設けているようです。このコスト管理が経営に大きな影響を与えたといいます。

この経営目標は、地域動向や医療行政などを考慮して理事長が立てたもので、個人目標まで落とし込まれたものを従業員に共有されています。

部門別原価管理制度や経営目標制度を導入したことで、現場では大きな改革が起きました。

たとえば、大型設備の導入はもちろんのこと、日常で必要な備品の支出でも、従業員が実勢価格の情報を自ら調べ、最も安いところから購入しているようです。

目標を個人レベルにまで落とし込んだことが、従業員の行動改善につながっているのでしょう。

医療・福祉 | 更新日:2017.08.15